高校生
英語の指導
英語の授業では一部生徒に訳を求めないで予備校スタイルの教科書本文で難しいところの解説をしてくれる教師もいます。しかし残念ながら多くの教師は生徒に日本語訳を求める授業です。入学後3カ月半年と経過するうちに生徒はいつしか訳すことが英語の学習と勘違いするようになっている。一方でサイドリーダーと呼ばれる英語の読み物が配布されます。深志高ではここ数年生徒の負担を考えてか年間数冊程度になりましたが長野高では毎月1冊のペースです。本来は読み物なので楽しんで読むもの、しかしその英語の読み物を楽しんで読める生徒がいったいどれくらいいることでしょうか?楽しめる生徒はせいぜい3%程度、1学年で10人いるでしょうか・・・それでも学校の意図はとてもよくわかります。9割の生徒は1000語レベルで入学している。1冊ごとに語彙のレベルが上がっていきます。どんどん語彙力をつけていかないと全国のトップレベルには追いつけない。理屈はそうではあるがこの9割の生徒たちは対応できません。しかし課題の提出を要求されテスト範囲に含まれる。よって行間に単語の意味を書き何とか訳そうと頑張っている。テスト直前には日本語訳を読み、そして本文まで暗記すれば高得点がとれる。しかしこれは努力が報われない典型的な学習パターン、いつしか英語を暗記科目にしてしまっている。一部には授業で教科書本文の暗記を求める教師もいる。暗記をさせて学力になると考えての事であるのか?語学の学習の本質から外れている。語学は身につけるもの、その方法論を教えないで暗記とは・・・
一流予備校で一流の講師に出会うと、英語を訳すことでは決して英語が読めるようにはならないことを教えてくれます。当然SKCでもそのように指導します。進学校に入学するとオリエンテーションで予習の重要性を強調されます。そして多くの生徒たちは予習に明け暮れて半年1年が過ぎるのです。一体どれくらい学力が伸びたのでしょう? 答えは「いくらか伸びた」です。駿台予備校講師が書いた文章の一部を引用しておきます。予備校生で「英語は努力しているのに伸びない」と言っている生徒が多い。こういう生徒はだいたい同じようなことをしている。予習は英文を全てノートに写し、全訳を書く。そして1000問ぐらい入った文法問題集を「5周」ぐらいする。また暇があれば丸暗記型の単語集とにらめっこしている。(中略)「努力している」というのは、本人の錯覚で、実は「何もしていない」に等しい。以上なかなか鋭い指摘です。毎年高校入学以来半年1年頑張ってみたがどうにもならない、ということで長野・深志の生徒が入会してきます。東大または医学部志望です。このままあきらめるわけにはいかない、学校で言われるようにやってきたが何かおかしい・・・以下は平成28年卒業生の例です。
長野高の英語のカリキュラムです。入学以来1年間で配布された教科書及びワークブックそして文法書/問題集・英作文テキスト、それ以外の課題を2年生に整理してもらいました。とにかく多い、単語集2冊・構文集1冊・サイドリーダー10冊そして週末課題の長文問題集が2冊、サイドリーダーと長文集は問題を解いて提出を要求される、9割の生徒にとってはまったく迷惑な課題です。駿台模試の平均点を考えれば対応できるレベルでないことは自明のこと、さらにもう1冊、高1の夏からの旺文社の「基礎英文問題精講」など論外、高校入学後半年足らずの英文法の知識も怪しい9割の生徒が使えるテキストではありません。一教師の"趣味"で貴重な学習時間を無駄にしている生徒たちは被害者です。英語は問題を解く(長文と格闘するということらしい)ことで英語が読めるようには決してなりません。またサイドリーダーの文字を追っていればそのうち英語が読めるようになるなど『幻想』です。これは英語を聞き流していれば英語が話せるようになる、などと宣伝している会社とまったく同罪です。
平成27年長野高校では東大2名・京大2名・国立医学部に4名が現役合格です。このトップグループ8名は学校の課題にうまく対応できたのです。しかしそれ以下の生徒たちは気の毒です。学校で言われるままに課題を提出するだけでほとんど学力につながっていない・・・せめて名古屋・東北の旧帝大レベルには行きたい、また国立医学部を目指している、これらの生徒が長野高には1学年に50人、いや100人もっといます。ところが現実には名古屋大5名、東北大13名、多くの生徒たちがこのレベルまで届かない、その原因は大学受験のシンボルである英語が伸びないのです。明らかにカリキュラム・指導に問題あり、英語は「やり方」を間違えると本当に苦労します。平成26年信州大医学部医学科現役合格の川上君、入学直後に学内で受けたTOEICの結果を報告してくれました。スコアが780と聞いて「すごい」の一言です。やはり英語で受かったのです。SKCでは単語一語一語の発音から指導する『本物の英語指導』をしています。