小学生
小学校英語のジレンマ
SKCでは小学生からの英語指導を開始するにあたって「識者の意見」を参考にしたいと思い文献を探してみました。その過程で当方で抱いていた懸念をズバリ本のタイトルにした単行本に出会いました。本のタイトルは「小学校英語のジレンマ」そして、その本の帯には次の3行の疑問文が・・・効果は見込めるのか?未解決の問題は?先生の努力任せでよいのか?その下に一文、理想論で語られがちだった「小学校英語」をシビアにみつめる、と書いてあります。本の著者は寺沢拓敬さん、英語教育に関する著書があります。読み通して印象に残った個所を取りだします。全9章で見開きページに1~2の小タイトルがありますので、章のテーマの後に<小タイトル>を書きだし印象に残った部分を引用します。最後の段落は小学生の皆さんへのメッセージです。
1章 小学校英語前史 なし(引用なし)
2章 実験の時代 なし
3章 模索の時代 なし
4章 外国語活動の誕生 <国語力がダメになるのか> 反対論の中で最も有名なものが、小学校で英語を始めたら子どもたちの国語力がダメになるという主張である・・・結論から言えば、母語が混乱するという主張は、研究者、特に言語学者・心理学者の間でほぼ否定しつくされているし・・・(コメント)英語に向き合ったときには「頭のスイッチが」が切り替わる印象です。英語の学習と国語力とは関係ないと思います。
5章 教科化・早期化に向けて なし
6章 現在までの改革の批判的検討 なし
7章 どんな効果があったのか <小学校英語の効果> これまでの検討で明らかなとおり、日本の小学校英語には多様な目的論が内包されており、英語力育成だけに限定して論じることはできない。主たる教育目標は、英語スキル育成、英語学習への肯定的態度育成、会話への積極性育成、異文化理解育成のように、少なくとも四つはある・・・そうですか!!
8章 グローバル化と小学校英語 なし
9章 教員の負担とさまざまな制約 <誰が教えるのか> 日本の小学校英語は学級担任が中心に指導に当たることを前提としてきた。専科の英語教員を配置せず「現有勢力」で・・・そうでしたか。<予算の制約> 指導者をめぐる厳しい状況について、文科省・自治体も条件整備をバックアップするためのさまざまな取り組みを行っている。しかしながら、財政的困難もあり、抜本的な条件整備にはほど遠いと言わざるを得ない。結局のところ小学校英語をめぐるジレンマの元凶は、教育予算の不足だということは明らかだろう・・・これが結論ですね!
この一冊の本で、現在日本の小学校で教えている「英語」という教科がどのような状況であるのか、はっきりイメージすることができました。SKCで小学生を対象に対応を考えている英語の指導とは、全く違う世界であることが分かりました。中学・高校の6年間でしっかりした本物の英語力を身につけ「希望する大学」に現役で合格、そして大学では専門の分野の学問を進めていく上で、しっかりした英語力は大きな力・武器になります。北村先輩も後輩へのメッセージの中で書いていました。国の枠を越えて多くのことを経験し・・・大学生活そして社会人になった時に問題集中心の文字学習である「受験英語」で中学高校の6年間を過ごした生徒と、東大が求める「音声」をベースにした英語学習をした生徒では「大きな差」があることに気がつくのです。言うまでもありません。SKCで指導する「英語」は大学生活では、英語の文献を読むのに困らない、そして社会人になった時には英語圏の人たちと意思疎通ができる、そのレベルの英語力を中学高校の6年間で身につけることを目標に指導しています。中学入学の1年前・2年前から始めることができれば、高校受験大学受験でも大きなアドバンテージになります。大きな夢!!があればSKCに挑戦してみましょう。